突撃!近所の発掘現場

発掘現場発見ノアリ!

発掘現場を見つけては連絡を寄越すオット。車で福岡市内周辺津々浦々を走り回る営業職のついでに考古アンテナを張っている様子。今回も現場現場発見の報せがLINEに届きました。

夫婦ふたりの休みが合う日に改めて見学に行くと、すでに埋め戻しされていることもしばしば…発掘作業って、時間との闘いなんだなぁ。

発掘途中の現場に到着

土曜日の午前出勤から帰ってきたオットと共に現場へ急行。まだ埋め戻されていない様子。やったー!今回は間に合いました。

発掘現場に設置されている看板に違和感。よーく見てください。

5世紀はじめ頃(古墳時代)の土器が多量に出土

下から弥生時代はじめの土器など出土中

出土中!発掘ほやほや感が漂います。というか、こんなに手書きコメントが加えられた看板を初めて見ました。いいなぁ。なんかいいなぁ。

看板に書き込まれている通り、地層からたくさん土器が見えていますね。
おや?奥に気になるスポンジ状の物が。あれはなんだろう。

教えて詳しい人!

スポンジの下に重要な出土品があるのに違いない。

降りてスポンジを剥ぐわけにはいかないし…などと言いながら見つめるしかないと思ったその時、作業をする人影がある???
しかし、今日は土曜日です。休日返上で作業をしている可能性大です。邪魔したくないなぁ。引き続き発掘現場を見学しつつ、話しかける機会を伺います。




がちゃん
がちゃん

すいませーん!この遺跡って、何時代のものですかー?


はい、ガマンできませんでしたー!

質問攻めにするつもりではないことを含ませていることにお気づきでしょうか?そうです、出来るだけ一言二言で回答を終えることができそうな「何時代?」質問から置いていきます。

福岡市内には縄文、弥生、古墳と時代を渡る複合遺跡が多いので、必ず押さえたい質問でもあるのです。尚、テストには出ません。

発掘技師さんは「降りて見ますか?」と言った

説明してくださったのは、発掘技師のIさん。私の初歩的な質問だけでなく、発掘内容も細かに教えてくださいました。

この現場は、教科書にも載っている超メジャーな板付遺跡に連なる場所にあります。

板付遺跡、覚えていますか?「最古の水田が見つかった稲作集落の跡」ということで太字で書いてあったはずです。これはテストに出た記憶があります。

名称は高畑(たかばたけ)遺跡。近くにある警察学校敷地が中心地。
今回発掘している区域は丘陵地からグググっと下がった場所なので、地下水が沁みだして発掘作業が大変そうです。

がちゃん
がちゃん

あの奥に見えるスポンジは何ですか?
水っぽい現場だから、もしかして…(木製品では?)

「降りてきて見ますか?」

いいんですか!見ます!降ります!
発掘面(というのかな?)まで降りるのは恐れ多いので、出来るだけ近づいて見える場所まで。長靴を持ってきていたら発掘面まで行けたかな?と心の中で思っていたことを添えておきます。

スポンジをひとつひとつ外すと、木製品が現れました。さりげなく横に発掘道具のスコップを添えるIさん。

「弥生時代初期の木製品 鋤(すき)が見つかったので、このように保存しています」

時代を超えて並んだ令和と弥生のスコップ。持ち手が完全に一致しているーーーー!!!


スコップの持ち手のデザインは、少なくとも弥生時代までに完成していたということですよね。うわわ!細かい角度まで一緒で驚きました。

見学はまだまだ続きます。次に向かうは仮設事務所。って、いいのですかIさん!

入口から室内を覗かせていただく形で、さまざまな出土品を見せていただきました。

がちゃん
がちゃん

お宝の山やーーーーーー!

石器時代の矢じり、縄文時代の石鏃、弥生式土器に紡錘車。
植物の種なんかもありました。

そうそう、看板に記入されていた古墳時代の土器について面白い話を聞くことができました。

土器や埴輪ってバラバラの状態で発掘されて、接合しても欠片が足りず完全な形にならないことが多々あるのですが、この遺跡から出土した土器は土や灰の堆積でまるごと埋まってそのままの形でぐしゃりと潰れている状態で発見されたそうです。

ってことは、接合したら完全な形になる土器だらけってことじゃない?

接合後の出土物を見たいし、発掘調査の報告書を読みたい。いつになったら見ることができるのか聞いてみました。

えーっと2年後…

気が遠くなる数字が出てきました。

年度末ということも換算されているのだと思いますが、2年後とは!

別に2年間かけてじっくりゆったり作業するという事ではなくて、取り出した出土品の整理、記録、研究などが行われた後に報告書作成という流れに要する期間が約2年ということ。

様々な行程や研究を経た結果、私たちが後々まで見て知ることが出来る状態になるのですね。
ああ、考古に関わる人たち凄すぎる。ずっと卒論書いているような状態やん。本当に頭が上がりません。

発掘現場で保存されていた弥生時代初期の鋤は、保存処理を行う場所へ数日後に移動予定だったそうです。

発掘技師Iさんの説明つきで見学出来たことがなによりも嬉しいことでした。

発掘中の画像をiPadを使って1枚1枚見せてくださる姿、忘れません!

この現場は発掘調査後にマンションが建設されるという看板も設置されていて、数日後、跡形もなく埋め戻されている姿を確認しました。(オットが)

遺跡は無くなっても、出土物や記録は残ります。2年後に完成する報告書を拝見できることを楽しみにしています!