夏と古墳と花火と炎【和水町古墳祭_2019】

※2019年の来訪記録です。

夏は、古墳めぐりオフシーズンで有名(※)ですが、夏ならではの楽しみがあります。それは、古墳への奉納花火!!!

※夏は虫が出る!ヘビが出る!草が生い茂っているので、古墳への深入りができないので基本的にオフシーズンです。

古墳奉納花火に対して「そんなんある??」って思う人が多数だと思います。私も古墳にハマるまでは気づいていませんでした。その花火が「奉納花火」だったなんて。地域の人たちだって気づいていないかもしれない。

AZホテル朝食付 4800円が目立っている…!

花火の写真の出来が壊滅的なので、古墳祭のことを書いていきましょう。

第49回和水町古墳祭で炎にまみれる

毎年8月の第一土曜日日曜日の2日間開催されている「和水町古墳祭」
クライマックスの花火と松明行列は最終日に行われます。

祭の舞台は江田船山(えたふなやま)古墳。
見るものをいにしえの世界へ誘う、地元のエンターテイメント軍団による演劇で幕を開けます。次から次へと地元の学生たちが舞い踊り、観客が見守る中、男子2人がおこした火を火巫女(ひみこ)が捧げ持ち、700名の老若男女の松明に火を移して、気づけば共に大行進しているという炎炎炎の祭です。

クライマックスは古墳の上で火巫女とムリテ様(江田船山古墳から出土した銀象嵌銘大刀に名前が彫られている)が交互に力強く踊り、花火2000発がドーーンドーーンドーーーーン

和水町で子供育てたいわ…

地元の中高生たちの活躍がまぶしくて、目を離すことが出来ません。
舞う学生さんに、灯す学生さん。
火巫女(ひみこ)の松明に灯す火をその場でおこすのですが、担当するのは中学生男子2人!!!思わず「和水町で子供育てたいわ…」とつぶやいてしまうほど、見守る気持ちに力が入ります。

立派に火をおこして、火巫女の松明へ火を移すまで、がんばれがんばれ!!と応援する観衆たち。グッとくる瞬間でした。火おこしって本当に難しいのに凄いなぁ。そういえば、火おこしに成功したことがありません。あきらめない気持ちと体力が大事だと思うのですが、どちらも足りていない気がします。

火巫女の松明に火が灯りました!

開放的な古墳石室??!

舞台となる江田船山古墳は、いつでも見学が出来る古墳です。
墳丘に登ると鉄製の重そうな扉があるのですが、鍵がかかっていません。(※)
「本当にこのまま入っていいんですか!」と、毎回語り掛けてしまいます。
この古墳、凄い古墳なんです。東京国立博物館所蔵の国宝「銀象嵌銘太刀(ぎんぞうがんめいたち)」が出土した古墳なんですよ…!!
(※ 2019年来訪時の情報です。)

見学中、見学後はしっかりドアを閉めましょう。電気の消し忘れ注意!
ガラス越しに家型石棺を見学することが出来ます。熊本地震の影響も見て取れます。

同じ敷地内に、公開日のみ解放される古墳があります。今回の古墳祭に合わせて公開されたのは塚坊主古墳です。行ってみましょう!!

すずしーーい!エアコン完備の古墳

塚坊主古墳の入口は自動ドアです。もう一度言います。自動ドアなんです!!そして、エアコン完備なので居心地が良すぎます。

赤、白、灰色で円文や三角文、菱形文などが描かれている装飾古墳です。等間隔の白い円文が気になるなぁ。

この文様が奥壁に描かれています。見えるかな??

熊本の古墳は、現在の八代あたりから菊池川沿いに伝わってきて、レリーフや線刻だったものが、岩に直接描くペイント様式に変わってきたとのこと。先日八代の博物館で古墳の石材に描かれた線刻を見たばかりなので、ひとしきり興奮しておりました。もっと知識を得たいなぁ。

案内してくださる方のポイントを押さえた説明も心地よくて、ずっと聞いていたかったのですが、次々に見学者がいらっしゃるので退出しました。

大鼠蔵(おおそぞう)南東第一号墳石棺側石

大鼠蔵(おおそぞう)南東第一号墳石棺側石は、八代市立未来の森ミュージアムに本物が展示されています。線刻で彫られているモチーフがたくさんあって見ていて楽しい。靫(ゆぎ)は他でも見るけれど、珍しく短甲があるー!
はい、マニアックオブマニアック。

笑ってはいけない古墳祭祀

和水町の町長さんをはじめ、おそらく町のお歴々と思われる方々が古代衣装に身を包み、髪型は古代男子の水豆良(みずら)。ヒミコサマー!って言う人のヘアスタイルといえば伝わるでしょうか。

自前の髪で水豆良(みずら)を作るためには長い自毛が必要なので、ヘアーネットにスポンジなどで作った水豆良をつけたものを装着されています。おじさまたちが全員ヘアーネットをつけて歩いている姿に【笑ってはいけない古墳祭祀】という言葉が浮かび、即座に「アウトーーーー!」と尻っぺたを打たれる妄想をしてしまいました。(ゴメンナサイ)

文化財である古墳が舞台となり、炎で包まれる「和水町古墳祭」
祭の存在が奇跡的です。機会があれば、ぜひ体験していただきたいです。
もれなく偉いおじさまたちの古代衣装&ヘアーネット姿も拝めてしまいます。
可愛く凛々しい火巫女さまのファンが多かったのも印象的でした。

古墳奉納花火情報、求む!

和水町古墳祭の他に、周船寺丸隈山古墳観世音大祭奉納花火大会に行ってきました。近々記事にまとめる予定です。他にも古墳花火ってあるんでしょうか。
求む、九州の古墳奉納花火情報!よろしくお願いいたします。

今回の古墳巡り記録

江田船山古墳 ※内部の写真撮影OK

阿蘇凝灰岩の切石を組み合わせた横口式家形石棺を見学することができます。縄かけ突起に朱色が残っているのが見えますよ!常に開放されている有難い古墳。出土した銀象嵌銘大刀は東京国立博物館にあります。遠いわ。

塚坊主古墳 ※内部の写真撮影OK

赤・白・灰色で三角文や円文が描かれた装飾古墳。自動ドア、エアコン完備!本来の石室はドーム状ですが、現在はまっすぐ!天井石は古墳の外に展示されています。ちなみに墳丘には登ってはいけません。墳丘のほとんどが復元。版築したのかなぁ。見てみたい、版築。

京塚古墳

江田船山古墳のすぐ横にある円墳。墳丘に上るための階段付きです。中には入ることができません。綺麗に整備されていて、ケーキみたい。デコレーションしたら映えそうです。

虚空蔵塚古墳

帆立貝式前方後円墳。未発掘。周囲を見て回りましたが、開口部や石材の露出は見られませんでした。この古墳の上で撮ったのが、トップ画像です。

古墳公園のなかをぐるりと歩くと、上記4基の清原古墳群をすべて周ることができます。道の駅きくすいと隣接しているので駐車場が広くて助かります。
菊水ロマン館近くの「ぱんのわ」さんで購入できる前方後円墳型のなごみパンがおすすめです。

次回開催日は?

開催日についてアナウンスがありました!
古墳と花火の夏は、来年までお預け。楽しみに待ちましょう。

第50回和水町古墳祭の延期について
https://www.town.nagomi.lg.jp/hpkiji/pub/detail.aspx?c_id=3&type=top&id=2963