はじめての野津古墳群

「野津古墳群はいいぞ」

円筒埴輪先生から何度となく言われていた言葉。
古墳単体ならばまだしも古墳群??!
あれですか、箱推しってやつですか(違います)

野津古墳群に行っていなかった理由ベスト3

1.ガイダンス施設が無いから
2.古墳公開日などのイベントが無いから
3.検索しても情報が少ない

ちなみに、私の好きなガイダンス施設は八女古墳群の岩戸山歴史文化交流館いわいの郷です。

中心的な古墳である岩戸山古墳に埋葬されたと考えられている筑紫君磐井について分かりやすくまとめたアニメーション上映や、100点以上という驚きの数が出土している石人、石馬などの石製表飾品(せきせいひょうしょくひん)が並ぶ様は圧巻です。何度も行きたい!

はじまりはウォーキングセンター

学園経営コンサルタント今村正治さんがラジオで語っていました。
「イチオシの古墳群は野津古墳群である」と。

あれれ、また野津古墳群?これは知らないと損なのではないか…という気持ちが盛り上がってきたところに、今村さん中心の楽しそうな企み「古墳コモンズひかわ」開催の古墳ピクニック開催決定の報せが届くのでした。これは万障お繰り合わせの上参加するしかありません。

#コダイのブカツ メンバーと野津古墳群推しの円筒埴輪先生と一緒に参加してきたので、思いっきりレポートさせてください!

案内役は熊本県八代郡氷川町の学芸員鈴嶋さん。
よろしくおねがいします!

鈴嶋さんによる案内で、古墳ウォーキング開始!

居並ぶ埴輪埴輪、また埴輪!

集合場所は、道の駅「竜北」物産館と道を挟んで隣接するウォーキングセンター。●●資料館とか、博物館ではないことに戸惑いつつ向かうと、そこは夢のような場所でした。

氷川町ウォーキングセンター

事前に調べていた埴輪のほとんどが展示されていることに興奮。
上下左右から眺めまわしたい!写真を撮りたい!キャプション読みたい!野帳に描き写したい!と大忙しでした。
撮影禁止の札がありましたが、鈴嶋さんに確認の上撮影させていただいたものを載せています。

ここで撮影した出土品の説明は下に続く古墳めぐり記事に織り込んでいきます。

さーて、野津古墳群に向けてしゅっぱーつ!

モースが発掘した大野貝塚

日本の人類学・考古学の基礎を作ったと言われるエドワード・S・モース
東京の大森貝塚を発掘した話は有名ですね。なんとなんと、氷川町にもモースが発掘した1文字違いの大野貝塚があるのです。
防犯上なのか、分かりやすい看板はありません。知る人ぞ知るフムフム遺跡。

この陸橋の下に残されています。
フムフムしているところ。ところどころに貝を見つけることができました。

大野窟古墳(おおのいわやこふん)

急こう配の坂を登った先に現れる大野窟古墳は、装飾古墳というだけでなく、日本一高い玄室を持つ古墳です。その高さ、なんと6m48cm!古墳写真家タニグチダイスケさんの展示「装飾古墳―タニグチ ダイスケと巡る絵のある古墳」で石室内の写真を見たときから記憶している数字です。(謎のドヤ顔)

やっとあこがれの石室内に足を踏み入れる事が出来…って、入られへんやん!

2016年の熊本地震の影響で安全性が確認されていないまま、修復の目途も経っていないそうです。なんということでしょう。日本一の古墳なのに。

石室内に転がって、天井の石を眺めたいよう。
いつか本当に崩れてしまう前になんとか見られるようにならないものでしょうか。

ちなみに、出土品の内容から野津古墳群とは別系譜と考えられているそうです。
野津古墳群が火の君の系譜だとしたら、大野窟古墳に眠った人はどのような繋がりなのかな。一代限りのはぐれ古墳なのだろうか。

姫ノ城古墳(ひめのじょうこふん)

周濠が広ーーーい!
思わず周濠の中を走りだしたくなります。(走りました)

野津古墳群の中で2番目に大きな古墳。
石製表飾品が18点出土していて、前出の岩戸山古墳に次いで全国2位。

ロングすぎるロング缶にしか見えない須恵器も出土しています。
横倒しになって展示されているので、分かりづらいなぁ。首を左に傾けてご覧ください。

筒形器台/姫ノ城古墳

中ノ城古墳(なかのじょうこふん)

いったい何段築成なの?という見た目ですが、墳丘上はミカン園として使われていたので、古墳時代そのものの形というわけではないようです。

バラエティ豊かな出土品からも感じませんか?広くて大きくて、包容力のある頼りがいのある古墳だと。

巨大な円筒埴輪

巨大円筒埴輪/中ノ城古墳

出土した埴輪が、それはもう朗らかに大きい。
口径94cm、高さ97cmという巨大な円筒埴輪が出土しているのですが、現在九州国立博物館に展示されています。もう動く気が無いのではと思うくらい、常設展示の埴輪エリアにふんぞり返っています。是非見てほしい。

その他の円筒埴輪も大きすぎます。画像だとサイズが分かりにくいですね。(キャプションにサイズが書いてあると嬉しいな)と思ったことを伝えなくては。

実物大の武人埴輪

盾持人の頭/中ノ城古墳

ほぼ実物大の大きさ!武人埴輪の頭です。
現地で見たときに、どこが正面か分からなかったのですよね。改めて野津古墳群発掘調査報告書を確認してみました。

簡単に説明すると、こう!

つたないイラストで更に分からないのではという危惧

頭の左半分だということが分かりました。はちまきの上部分を見てみるとハケ目が縦に入っています。髪の毛の表現ではないかと考えられています。

大事な部分がポッキリ!馬形埴輪

馬形埴輪のお腹と…/中ノ城古墳

全国でも出土例が少ない「性別が分かる」馬形埴輪。
お分かりになるだろうか…丸がふたぁつ付いているのが。
横には、何かが付いていた筈の剥離痕があるのです。みなまで言うまい。

説明は割愛したのに、イラストにはするのね…

端ノ城古墳(はしのじょうこふん)

九州では珍しい鶏形埴輪が出土しているのですが、どう見たら鶏?と答えが出ないまま撮影した写真がこちら。

鶏形埴輪/端ノ城古墳

発掘調査報告書を見たところ、この画像は正面から見たところになる様子。
次回は横から分かりやすく撮影したいと思います。野帳に発掘調査報告書の図を描き写してみました。(右下)

#野帳カキマクル部

古墳でジビエピクニック

くまもと農家ハンターさんによるジビエハムと氷川町で採れた玉ねぎ、きゅうりなどの野菜を挟んだジビエサンドに晩白柚ジャムサンド、フキの佃煮、きゅうりの漬物、苺に不知火(ミカンの名前)お洒落すぎるレモネードまで。

それはもう、わんぱくにいただきました。美味しかった。
持ち寄りお菓子に学芸員鈴嶋さんお手製のドッキーを見つけて歓声を上げましたのは、言うまでもありません。

寝転がりたい古墳群ナンバーワン!(暫定)

おなかいっぱいになったら、墳丘に登ったり、草むらに転がったり。
古墳ジャンプしたり…。埴輪片も見つかります。(キャッチアンドリリースで)

ほどよく木陰が広がっているので、とても心地よい場所です。考え事をしたい時や恋バナをしたい時に近くにあったらいいのに。地元の方が羨ましくて仕方ありません。

野津古墳群に残る4基の前方後円墳のうち、物見櫓古墳だけ辿り着くことが出来ていません。近いうちに必ず行きたいと思います。改めて墳丘に登りまくりたいですね。

さいごに

今回の古墳ピクニック企画の中心、今村さんが古墳について熱く語っていらっしゃるラジオ放送回。ポッドキャストで聴くことができます。必聴!

深町健二郎のオトナマチアソビ
#336 2021年4月8日放送 今村正治 B

大野窟古墳と野津古墳群を自分の足で歩いてみて感じたことをまとめておこう。
いつか野津古墳群テーマの古代フェスも開催したいなぁ。
埴輪のクセが強すぎるので、たのしい作品が生まれる予感しかありません。

氷川町の古墳を更に楽しむために…思いついたことまとめ

●ウォーキングセンターのガイダンス施設化
 ・埴輪などの出土品について撮影OKまたは許可を取りやすい体制にする
 ・埴輪サイズなどを表記。特に巨大な円筒埴輪のサイズを知りたい
 ・物見櫓古墳出土の金製垂飾付耳飾のレプリカを展示する(美しい…)
●定期的に古墳ウォーキングイベントを開催してほしい
●日本一である大野窟古墳の石室を整備してほしい
●中ノ城古墳出土高さ97cmの円筒埴輪モニュメントを設置、撮影ポイントに