もくじ
朝倉の古墳には、なんやかんやあります。
まず最初に、語彙力が飛んで行ってしまったことをお詫びいたします。展示タイトルにある朝倉の古墳について未知過ぎました。古墳という文言に喜んで行っても、そんなに展示品多くないんじゃない?展示エリアも狭いかもしれない…なんて思っていた過去の私に言いたい。「朝倉の古墳、あれこれもそれも、あるよ!」
みんな大好き古墳ジオラマ
展示室の真ん中で待ち構えるのは小田茶臼塚古墳の1/100スケールジオラマ。古墳を縁取る円筒埴輪列の可愛らしさに見惚れていると、見慣れないものに気づきました。
ズームイン!
大きな甕(かめ)が列になって並んでいます。前方部と後円部を分けるくびれ部分に設置されていることに意味があるのかもしれない等と考えながら振り返ると…
並んでいるーー!
大甕(おおがめ)がずらりと墳丘上に並ぶ様子が再現されています。甕の中から𤭯(はそう)という液体を注ぐ急須のようなものが出土しているので、大甕(おおがめ)にたっぷりなみなみと入れたお酒を𤭯(はそう)で注ぎあって飲み会でもしたのでしょうか。
そうそう、一番左端の大甕(おおがめ)は現在の大阪府堺市あたりにあった陶邑(すえむら)という場所からはるばるやってきた物なので、関西人とも楽しいお酒を酌み交わしたかもしれませんね。
お酒といえば、ジョッキ形土器!
ネーミングが素敵なジョッキ形土器。古寺10号土壙墓から大きなジョッキ形土器と小さいジョッキ形土器が出土しています。
特に、小さい方の取っ手がグルングルンで可愛すぎるのです。ジョッキというか、マグカップじゃないかな?
このジョッキ形土器は、甘木歴史資料館の開館時に記念品として複製品を作って配布したんですよ。
えええ!!(ほしい)
甘木歴史資料館が開館したのは約40年前の1985年。もうどこにも残っていないかもしれません。常々「ジョッキ形土器でビアガーデンするねん!」と言っていただけに、どうしても実物を見てみたい。メルカリで地道に検索する日々が始まるのでした…(余談オブ余談)
古寺6号土壙墓からは、さらに大きなジョッキ形土器が出土しています。どれだけ呑兵衛だったの?朝倉の古代人たち。
朝倉の古墳で埴輪ハント
平日の朝8:28に埴輪を紹介するはにわ時報でおなじみ古代pressツイッターですが、慢性的な埴輪不足に悩まされています。九州は!埴輪出土数が!少ない!
完形でなくても、埴輪片が展示されているだけでも嬉しく感じるほどに、少ないのです。期待していくとガッカリしてしまうので、毎回あきらめモードで行くのですが…
朝倉は、一味違いました。
ごめんなさい。調子に乗りました。あまりにも嬉しすぎて、馬形埴輪にティータイムを提供してしまいました。表情が何とも言えない馬形埴輪頭部は、以前市役所の近くにあった前方後円墳 鬼の枕古墳での出土とされています。
リアルな造形がとても美しいです。支えの棒ごと、大好きです。
同じ鬼の枕古墳から出土している形象埴輪も負けていません。
見事にバラバラです。それぞれ違う埴輪かもしれないし、どれかが接合するかもしれない。陽気に笑っている顔が真ん中にあるのもいいですね。ターバンつけているのかな?
すでに発掘されていた馬形埴輪と、あとから発掘した形象埴輪の色が違うと思いませんか??
色の濃ゆさというか、土の感じが違うような…
同じ「鬼の枕古墳」出土とされていますが、埴輪の作り手が違うので、もしかしたら違う古墳が近くにあったのかもしれない。埴輪だけ違う場所、違う時期に持ち込まれていた等、想像できることがたくさんありますね。ああ、考古学おもしろい。
革で土器をつくる、アレもあります。
コダイのブカツでも度々話題になる革袋形土器(かわぶくろがたどき)もあります。全国的に珍しい出土品。だって革で作った巾着をわざわざ土器で再現するのだから、当時も珍しく貴重なものだったのではないでしょうか。
他にも装飾古墳、リバーシブル壺形埴輪、立派な円筒埴輪、垂飾付耳飾、副館長の小田さん一推しの不思議な形の高杯などなど、まだ語り足りないので<後編>に続いて良いでしょうか。
実物を見たい!という方はお急ぎください。
展示期間が延長されていますが10/3(日)までとなっています。
甘木歴史資料館に行ったら、ぜひ「温故」という資料館だよりをもらってください。なんと16ページまるごと古墳特集になっています。