渡来人がやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!【加耶展 九州国立博物館】

1700年くらい前からオトナリさん

渡来人形埴輪 / 山倉1号分(千葉県)


加耶→カラ→日本にとっての外国全般を表す「カラ」ってことはカラアゲは「加耶アゲ」?!隣国加耶との関係は4世紀ごろから。ってことは1700年くらい前から。(計算あっていますか…)加耶という国の文化が、人たちが、私たちの生活に溶け込んでいることを加耶展で改めて感じてきました。

こしきーの展示革命と料理革命

甑 / 蔀屋北遺跡(大阪府四條畷市)

遠く加耶からやってきた渡来人が持ち込んだ料理革命。それは、コシキー!
じゃなくて、かまどを用いる住居形態が国際港から徐々に日本各地に広がっていったのは、甑(こしき)で作る蒸し料理が美味しかったからだろうな、と思うのです。

ミニチュアかまど / 一須賀古墳群(大阪府南河内郡河南町)

移動式かまどの上に甕、そして甑を載せる。
ぴょこっとした取っ手が、組み立て体操のポーズに見えてきます。

甑は蒸し器として使うものなので、底に穴が空いています。どかんっと大きな丸もあるし、ドットのように小さな穴が無数に空いているものも。調理する素材で変えていたのかな。この穴が角度によっては顔にみえることに気づいた九州国立博物館の職員さんが「こしきー」というキャラクターも見出した結果、加耶展で展示されている甑、一つは上下逆に置いてあります。

甑の展示角度の秘密|九州国立博物館|https://www.kyuhaku.jp/qr/kosiki.pdf

あなたの蕨手文は何処から?加耶から!

短甲 / 伝金海退来里(韓国)

この模様、知ってる。蕨手文だ!!!
展示ケースの前で思わず声が出そうになりました。(ちょっと出た)


九州の装飾古墳の中でも、今のところ福岡県域のみで見つかっている蕨手文という文様ではないですか。
古代フェスでも写真を撮る時のポーズとして愛用しているだけに、馴染み深い文様です。



加耶の短甲は着用する人の体型に合わせて縦に長い鉄の板を革紐や鋲でつなぐという作り方と説明がありました。
別の作り方として、鉄板を細長い板で横に区切る方法を編み出した倭人の甲冑が、加耶の王様の古墳に収められているのもすてき。文化交流。ユニフォーム交換みたいな?(多分違う)

【奥】帯金式甲冑/高霊池山洞32号墳(韓国) 【手前】眉庇付冑 /高霊池山洞32号墳周辺(韓国)

ぐるぐるどきどき加耶の土器たち

耳みたいなぐるぐるがついている加耶の土器たち。
これもどこかで見たことがある…甘木市歴史資料館だ!

2021年企画展「朝倉の古墳〜いにしえの首長墓とその周辺〜」で見た須恵器の取っ手と一緒です。ぐるぐる。

と思ったら、加耶展に朝倉のぐるぐる土器が展示されていました。お久しぶりです!

初期須恵器 / 古寺D-10号土壙墓(福岡県朝倉市)

出土品を見る時、大陸からの舶来品か国内で生産されたものか?という目線しか持っていなかったので、ここで大きなウロコが目から落ちるのでした。遠い大陸から渡ってきた渡来人たちが、倭人と共存する中で自分たちの技術を使って生活用品を作っていたのかと。

がちゃん
がちゃん

陶製技術や鉄などをもたらした渡来人が

「それじゃ!」

ってすぐ帰っていくわけではなく、そのまま社会生活に加わっていく流れもあるよね。

初期須恵器 / 古寺D-10号土壙墓(福岡県朝倉市)

展示に添えられたイラストが素敵すぎて、しばらく魅入っていました。
このポストカード欲しい。生活に使われた道具たちがどのような存在だったのかを想像することが出来るすばらしいイラストだと思います。全部で10点くらいあったので、元のラフ画と一緒に個展開催希望です。九州国立博物館さん。並びにK嶋さん(きゅーはく女子考古部でお世話になっています)宜しくお願いします!

イラストは図録に掲載されています。全160頁の大ボリューム。在庫があるうちに、九州国立博物館ミュージアムショップにてお買い求めください。通販対応もあるようです。

憧れの加耶ゴールド

ジュエリーショップのようにずらりと並ぶ金製耳飾り。圧巻です。
大加耶の王から王族や各地の有力者たちへ分配し、政治的な関係を確認するために作られた美しい耳飾り。
九州各地でも出土しています。福岡県春日市の日拝塚古墳、八女市の立山山8号墳、熊本県玉名郡和水町の江田船山古墳などなど。コダイのブカツで行った熊本県八代郡氷川町の物見櫓古墳から出土した金製垂飾付耳飾りも展示されていました。行った古墳からの出土品に出逢えるのは本当にうれしいのです。

金製垂飾付耳飾り / 物見櫓古墳(熊本県八代郡氷川町)

おいでよ 埴輪の牧場

推しの埴輪は、猫迫1号墳(福岡県田川市)の馬形埴輪さんです【左手前】

展示開始当初からSNSで話題になった埴輪牧場。
加耶からやってきた渡来人たちによる牧場運営をイメージすることができる展示。可愛いだけではないのです。

そもそも加耶って?

倭という国がもっとも緊密に交流した国々。今回の加耶展では金官加耶、阿羅加耶、小加耶、大加耶という4つの国を扱っていました。それぞれの土器展示のボリュームよ…。透かし穴ってこんなに種類あるの?なんかツヤツヤした土器多いけれど、自然釉の条件がわかってたの?鴨形土器の鴨の頭に乗っている人間らしきもの、足どうなってるの?蓋付き最高!等、感じたことがたくさんあるのですが、ここでは割愛します。図録をぜひ。

阿羅加耶土器の透孔、火焔状と言うらしい。初めて見ました。

渡来人がつくった埴輪

今回の加耶展の中で一番驚き、心に残った展示はこちら。

コンパス円文施文埴輪 / 成屋形古墳(福岡県太宰府市)
がちゃん
がちゃん

誰ですか?地味だと言ったのは!

渡来人にとっては、自身の文化にない埴輪。そこに金官加耶の葬送用特殊器台と同じコンパス円文を施しています。展示ケースの前で「こんな埴輪見たことない!」と一人テンション上がってしまいました。それもそのはず、現在見つかっている中では唯一の事例だそうです。

加耶からやって来た渡来人が倭人と共に古墳築造をしたことがわかる出土品。尊いです。

最後に #野帳カキマクル部

書き足りない。あと10頁くらい書く内容がありそうです。
この記事も、もちろん全てを書き切っていません。ハッシュタグ#加耶展 でTwitter検索することをおすすめします。埴輪牧場をフューチャーした公式動画も登場しています。ぜひ。

特別展「加耶」九州国立博物館
2023年 1月 24日(火) – 3月 19日(日)